ADASから完全ADに向かうためには3つの技術的問題をクリアしなければいけません。
それは、センシング、マッピング、ドライビングポリシーの3つです。
モービルアイ(mobileye)のセンシング
周囲の環境の認識には、大きく分けて4つのカテゴリが存在する技術的領域が存在します。
・フリースペース:運転可能な空間とそうでない空間の区切りの識別
・道路:走行可能なルートの地理的理解
・動体:運転可能な空間に存在する人や車両の検知
・状況理解:道路上の信号機とその色、標識、右折、左折指示、横断歩道といった膨大な量の指示情報の理解
モービルアイ(mobileye)のマッピング
自動運転の実現においては、現在地から目的地まで車両を適切に移動できる地図データの存在が必要不可欠です。これは信号や標識、周囲の車両を識別する先述のセンシング技術とは異なり、必ずしもリアルタイムに必要な情報ではなく、むしろ予め持っておく必要があり、かつ、常に最新の情報にアップデートされている必要のある情報です。
そこでモービルアイは数の力を活用し、各モービルアイ製品搭載車両が走行中に取得する地図データをクラウド上にアップデートして統合処理、合成することで独自の地図データを作成し、これを自動運転のナビゲーションに活用しています。
モービルアイ(mobileye)のドライビングポリシー
センシング技術が現在の情報を捉える技術であるならば、ドライビングポリシー(自立制御)は未来の意思決定の技術です。人間のドライバーは道路上の情報を取得するだけでなく、そこから安全で効率的な最適解を自ら思考し決断します。たとえば他の車両に道を譲るのか、先行するのか、歩行者を待つのか待たないのか、それらを取得した情報を取捨選択し、常にそれらしいと思われる判断を求め、場合によっては土壇場でそれを修正する必要もあります。
自動運転の実現における困難な点は、自動運転はある日急に世界中ですべての車両が自動運転化するわけでなく、一定期間は自動運転車両と人間の運転する車両が同じ道路を走るという点です。そこには人対人のコミュニケーションが必要不可欠です。
この難問に対するアプローチとして、モービルアイは膨大な量のデータを機械にインプットして法則を学習させるディープラーニングという技術を採用しています。
自己強化アルゴリズムと呼ばれるこの手法は、機械が膨大なデータに触れる中で自ら判断、時にその間違いを正していくことで、より正しい解を自然にかつ迅速に導き出せるように筋道立てられています。